*2 リージョナル・シアター(別称:レジデント・シアター)は、独自の公演シリーズをプロデュースする米国の非営利プロフェッショナル・シアターの総称。「地域/地方」を意味する「リージョナル」は、元来、ニューヨーク市以外に本拠を置く劇団や、常駐劇団を持つ劇場施設を区別するための呼称。リージョナル・シアターは、1960年台はじめに、フォード財団が大規模な融資を行ったこと(1959年)や、ガスリー・シアターが創設された(1963年)ことで台頭した。現在では、LORT(League of Resident Theaters)と同義に使われることが多い。LORTは、AEAをはじめとするユニオンの規則にのっとって運営することを同意している劇団及びあるいは常駐劇団をもつ劇場。
*4 PWCが毎年7月に2週間かけて行う新作戯曲のワークショップとステージ・リーディング。劇作家、ドラマターグ、演出家、役者が30時間の共同作業で戯曲を推敲し、その成果を一般公開のステージ・リーディングとして発表する。近年は、毎年5人から8人くらいの劇作家が選ばれ、参加している。本年(2008年)で26回目を迎える。
Elaine Romero working on a play at The Playwrights' Center
Clockwise from far right:
Playwright Elaine Romero, Polly Carl, Annie Enneking, Casey Grieg, Shawn Hamilton, and dramaturg Liz Engelman.
劇作家に対して全米で最大規模の支援を行う組織として知られるミネアポリスの劇作家育成専門機関「プレイライツ・センター(PWC)」。ワークショップ形式の「ラボ」と呼ばれる活動で戯曲の推敲(リサーチ&デベロップメント)を行い、年間40本〜50本の作品を発表。2006年からは、Japan Cultural Trade Network(CTN)、セゾン文化財団らと協力しながら3年にわたる「日米現代劇作家・戯曲交流プロジェクト」を行ってきた。PWCの活動について、プロデューシング・アーティスティック・ディレクターのポリー・K・カール氏にCTNのディレクターである吉田恭子氏がインタビューを行った。
(聞き手:吉田恭子[日米カルチュラル・トレード・ネットワーク・ディレクター])
──最近の例ではジョーダン・ハリソン作『Finn in the Underworld』やリー・ブレッシング作『Body of Water』などのように、「プレイラボ」でとりあげた作品は、約80%が本公演としてプロデュースされていると聞いていますが、素晴らしい実績ですね。
もちろん、私たちは「ラボ」から出てきた作品が本公演としてプロデュースされることを切望しています。私たちにとって、究極の成功は本公演です。でも、まずその前に、一番重要なことは、劇作家を育てることなのです。私たちは本公演として上演される可能性が高いという理由で、戯曲を選び、それを練り上げるのではありません。私たちは、まず、作家の才能を信じます。そしてその才能を育てた結果として、本当に良い戯曲が生まれ、それが本公演としてプロデュースされることを望んでいるのです。実際、ほとんどの場合、そうなっています。
それに対して、ほとんどのシアターは、「この芝居はマーケットに受け入れられるだろうか」「うちの劇場にくる観客はこの芝居を気に入るだろうか」と、問うわけです。PWCでは、「この劇作家は刺激的な声(意見)を持っているから、この作品をディベロップしよう」というところから始まります。ですから、PWCがディベロップする作品群は、多様な美意識を幅広く反映しています。キッチンでの会話ドラマもあれば、非常に実験的な作品やミュージカルなどもあります。