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2011.5.9
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クンステン・フェスティバル・デザールとフェスティバル・トランスアメリークがチェルフィッチュとポツドールをプログラム
  クンステン・フェスティバル・デザール(Kunsten Festival des Arts)は、ブリュッセルで毎年5月に開催されているパフォーミング・アーツを中心とした現代アートフェスティバル。先鋭的なプログラムで知られ、世界の現代アート界のアンテナフェスティバルとも称されている。ベルギー国内はもとより、ヨーロッパ全域、さらには芸術支援インフラに乏しい発展途上の国々に及ぶ世界の若手アーティストを独自に発掘し、多くの作品プロデュースを行っている。「festival」を挟んで表記される「Kunsten」「(des)arts」はオランダ語、フランス語でともに「芸術」の複数形。

 フェスティバル・トランスアメリークは、1985年よりモントリオールで隔年開催されてきた「Festival de théâtre des Amériques(アメリーク演劇祭)」をその前身とし、一貫して「アメリカ」という語の複数形が用いられている通り、南北アメリカ大陸を縦断するプログラミングで知られる。2007年より現在の名称「Festival TransAmériques」に変更。対象ジャンルを拡張し、南北アメリカの実験的・野心的作品に加え、ヨーロッパや世界各国の先進的な作品が招聘されている。

 クンステン・フェスティバル・デザール(会期:5月6日〜28日)の今年のプログラムは、32プログラム中12本がベルギーの作品(うち7本がブリュッセル)。フェスティバル・トランスアメリーク(会期:5月26日〜6月11日)は同じく32プログラム中12本がカナダの作品(うち9本がモントリオール、ケベック)と、ほぼ同様の規模・内訳になっている。2つの公用語・言語コミュニティを持つ都市で開催されるという点でも共通しており、国際プログラムには「英雄」の概念を通して合衆国史の深層をあぶりだすリチャード・マクスウェル/ニューヨーク・シティ・プレイヤーズのミュージカル『Neutral Hero』、ドキュメンタリー的アプローチでメキシコの60〜70年代を再現し「抵抗」とは何かを問うLagartijas tiradas al sol『El rumor del incendio』など同じ演目も見られる。

 クンステン・フェスティバル・デザールは、2007年に『三月の5日間』をヨーロッパに初めて紹介して以来継続してチェルフィッチュを招聘、『フリータイム』の共同製作も行っている。今年は『わたしたちは無傷な別人である』と最新作『ゾウガメのソニックライフ』の2本を上演。フェスティバル・トランスアメリークは同劇団の『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を初めて取り上げる。昨年テアター・デア・ヴェルトで衝撃的なヨーロッパ・デビューを果たしたポツドール『夢の城』は、同作品で両フェスティバルに初参加。

 常にグローバルな状況への応答性を重んじている両フェスティバルだが、今年はとりわけ中東の状勢を受け、クンステン・フェスティバル・デザールは「行き詰まり/立ち尽くし」、取り消し線つきの「身体」、「若さ」をキーワードにプログラムのコンセプトを述べ(http://www.kfda.be/about/id011)、フェスティバル・トランスアメリークは「誠実さあるいは怒り、知性と繊細さ」をもって問いを立てる作品群を通して「想像力へと開かれたスペース、問われた問いには当然答えがないスペースを作り出す」(http://www.fta.qc.ca/en/pages/2011/artistic-direction)と謳う。両フェスティバルで日本の2劇団がどう受容されるか注目される。
クンステン・フェスティバル・デザール(Kunsten Festival des Arts)
http://www.kfda.be/en
フェスティバル・トランスアメリーク(Festival TransAmerique)
http://www.fta.qc.ca/
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