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2011.12.26
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NYの国際演劇祭「第7回アンダー・ザ・レイダー」開幕(2012年1月4日〜15日)
 
 米国最大の舞台芸術見本市であるAPAPと同時期に、ニューヨークのパブリック・シアターが市内劇場と連携して毎年開催している国際演劇フェスティバル「アンダー・ザ・レイダー」。7回目を迎える2012年は、9カ国から14作品が小劇場ラ・ママやHERE、ジャパン・ソサエティなど5会場で上演される。“世界の新しい演劇をトラッキングする”と謳うこのフェスティバルは、今年も刺激的な作品がラインナップされている。
 注目株は、イタリアのMotusとベルリンと英国ノッティンガム拠点のアーティスト集団ゴブ・スカッド(Gob Squad)。ともに昨年のソールドアウト公演に引き続き2年連続の登場で、どちらも2作品を上演。Motusは、2008年ギリシャで15歳の少年が警察の発砲により殺害されたのをきっかけに大規模な抗議運動が起きた事件を題材にしたドキュメンタリータッチのシアターパフォーマンス『Alexis. A Greek Tragedy』と、ニューヨークのザ・リヴィング・シアター(The Living Theater)とのコラボレーション『The Plot Is the Revolution』。両作品とも演劇は政治を変えられるという信念に貫かれた、政治的な演劇として注目されている。
 昨年「観客がもっとも再演/再出演を望むアーティスト」に選ばれたゴブ・スカッドは、パブリック・シアターにおける1カ月のレジデンスで『Super Night Shot』を製作。開演1時間前に役者たちがビデオカメラを持って街に繰り出し見知らぬ人々と遭遇する様子を捉えた映像を、劇場の大画面にライブミックス。また、展示により創作の方法論や作品のディテールなどの紹介も行われる。
 アメリカからは、スーザン・ソンタグの一生を描いた、The Builders Associationの『SONTAG: REBORN』、台詞・音楽・ヒップホップダンスを交えて都会に住む黒人の父親たちの問題を描いた、The Living Word Project の『Word Becomes Flesh』。そして、Suli Holum &Deborah Steinによる、2つの異なるDNAを持つ実在の人物の話を元にしたサイエンスホラー『Chimera』。
 ヨーロッパからは、前述の他に、堕天使がポルノ女優になって騒動を起こす芝居が原理主義者の抗議によりイスタンブールで上演中止に追い込まれたトルコとパリが拠点のアーティスト集団birikenによる問題作『LICK BUT DON'T SWALLOW!』、オペラ界に新風を吹き込んだ英国の人形劇グループBlind Summit Theatre がベケット・聖書・IKEAにインスピレーションを得た『THE TABLE』(「エジンバラ演劇祭フリンジ2011」ファーストプライズ受賞)など。
 日本からは、NODA・MAPとチェルフィッチュが参加。NODA・MAPは東京芸術劇場とロンドンのソーホーシアターの共同制作による『THE BEE』(2006年初演)、チェルフィッチュは『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を上演する。
 この他、2008年に来日して横浜の街中でパフォーマンスを行い話題となったアルゼンチンのマリアーノ・ベンソッティ(Mariano Pensotti)やパンクバンドと演劇を融合したコンサートなど刺激的なプログラムとなっている。

[フェスティバル概要]
 2005年にブルックリンのSt Ann's Warehouseで始まり、翌年パブリック・シアターにメイン会場を移した。創設者はニューヨークのPS.122のディレクターを長く務めてNYのアートシーンを牽引したマーク・ラッセル。新進・ベテランを問わず、エキサイティングでインディペンデント、そして実験的なシアターの最前線を紹介。異種間の衝突から新しいものを作り出し、招聘だけではなく、国内外のアーティストに共同制作の場も積極的に提供している。
アンダー・ザ・レイダー(Under The Radar)
http://www.undertheradarfestival.com/
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