平田オリザ(Oriza Hirata)
1962年東京生まれ。劇作家・演出家。劇団「青年団」主宰。東京・こまばアゴラ劇場支配人。大阪大学コミュニケーション・デザインセンター教授。
こまばアゴラ劇場の経営者として小劇場界に関わる一方、1983年に、そこを拠点に活動する青年団を旗揚げし、劇作家、演出家として活動を始める。「現代口語演劇理論」を掲げ、日本人の生活を起点に演劇を見直し、「静かな演劇」と称された1990年代の小劇場演劇の流れをつくる。緻密な計算によって演出する手法は評価が高く、劇作家、松田正隆と組んだ一連の作品は話題になった。
演劇はもとより教育、言語、文芸などあらゆる分野の批評、随筆などを各誌に執筆。近年は、公演やワークショップを通じて、フランスをはじめ韓国、オーストラリア、アメリカ、カナダ、アイルランド、マレーシア、タイ、インドネシア、中国など海外との交流も深めている。また、2002年度から採用された国語教科書に掲載されている平田のワークショップ方法論により、年間で30万人以上の子供たちが、教室で演劇を創るようになっている。他にも障害者とのワークショップ、駒場ほか地元自治体やNPOと連携した総合的な演劇教育プログラムの開発など、多角的な演劇教育活動を展開している。
運営する「こまばアゴラ劇場」および稽古場をかねた実験スペース「アトリエ春風舎」では、青年団に所属する演出家、劇作家が「青年団リンク」として劇団内で不定形のユニットを作り、2002年度から独自の企画公演を行っている。劇団員の誰もが自由に企画を提出することができ、若手を中心にした団員の創作活動が批評の対象となるよう本公演に準じる形で行われる。その後、劇団内ユニットから独立して現在では独自の活動を行っているカンパニーもあり、これまでに五反田団の前田司郎、地点の三浦基らが輩出。また、1989年からこまばアゴラ劇場がホストになり「各地域のカンパニーが当たり前のように東京公演をできる環境作り」を目的として掲げる舞台芸術フェスティバルを開催。2001年からは「サミット」フェスティバルとして毎年春と夏に開催している。旬のアーティストをフェスティバルディレクターに選出し、公演ラインナップの選定などすべてを行う。今年度のディレクターは、劇団「チェルフィッチュ」を主宰する劇作家・演出家の岡田利規が務めている。
95年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞、97年『月の岬』(松田正隆作、平田オリザ演出)で第5回読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、02年『上野動物園再々々襲撃』(脚本・構成・演出)で第9回読売演劇大賞優秀作品賞、03年『その河をこえて、五月』(日韓共同作・演出/新国立劇場制作)で第2回朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。戯曲以外の著書に、『演劇入門』(講談社)、『話し言葉の日本語』(井上ひさし氏との対談集、小学館)、『芸術立国論』(集英社)など多数。
劇団「青年団」
http://www.seinendan.org/
こまばアゴラ劇場
http://www.komaba-agora.com/
フェスティバル「サミット」
http://www.agora-summit.com/
2006w/indexe.html
公演情報
+青年団国際演劇交流プロジェクト2007 日仏合同公演
『別れの唄』
作:平田オリザ 演出:ロラン・グットマン
【ティヨンヴィル公演】2007年1月22日-26日
●Centre Dramatique de Thionville-Lorraine
【ブザンソン公演】1月30日-2月2日
●Centre Dramatique National de Besançon
【ストラスブール公演】2月7日-22日
●Théâtre National de Strasbourg
【東京公演】4月4日-8日
●シアタートラム
【パリ公演】5月23日-6月17日
●Théâtre de l'Est Parisien
◎フランス語上演/日本語字幕付き(字幕は東京公演のみ)
+青年団第53回公演
『東京ノート』
作・演出:平田オリザ
【東京公演】2007年4月19日-5月14日
●こまばアゴラ劇場
◎オンデマンド字幕付き上演
+新国立劇場<演劇>日中共同プロジェクト公演
『下周村─花に嵐のたとえもあるさ─』
作・演出:平田オリザ、李六乙
【香港公演】3月20日〜24日
【北京公演】4月
【東京公演】5月15日〜20日
●新国立劇場小劇場 THE PIT
http://www.nntt.jac.go.jp/season/
updata/10000122.html