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2021.11.24

Voices of Culture
EU
ヴォイセス・オブ・カルチャー

 欧州委員会が、文化芸術における政策立案に市民セクターの意見を活かすべく立ち上げた構造的対話(structured dialogue)を担う組織。2007年に制定された欧州連合の文化戦略「欧州文化アジェンダ」(European Agenda for Culture、2018年にNew European Agenda for Cultureとして改訂された)において取り入れられた市民セクターとの対話のプラットフォームを前身に、さらにフレキシブルかつ多様な声を取り入れるための枠組みとして2015年に誕生した。

 ヴォイセス・オブ・カルチャーでは、欧州理事会(EU Council)による文化基本計画(EU Council Work Plan for Culture)で定められた優先事項に沿ってテーマを決定し、そのブレインストーミング・ミーティングに参加する団体を公募。選考された参加団体が欧州委員会の代表者とのミーティング等に参加する。最終的に参加団体がとりまとめた報告書を欧州委員会に提出し、欧州連合及び加盟国の政策に活かす仕組みになっている。

 最新の報告書「Status & Working Conditions for Artists, Cultural and Creative Professionals」は芸術家及び文化やクリエイティブ産業関係者の労働環境に関するブレインストーミングに基づいてまとめられたもので、2021年7月6日に公開された。ブレインストーミングに参加したのはEU加盟国で活動するNPOやNGOなど47団体。IETM(International Network for Contemporary Performing Arts)をはじめとして舞台芸術・音楽・美術・映像など幅広い分野の専門機関が名を連ねている。芸術家や文化セクター関係者の法的地位や社会保障、公正な報酬・団体交渉の権利・知的所有権の補償、芸術家にとってのリサーチや生涯教育の必要性、デジタル時代におけるサステイナブルなモビリティ、そして芸術家の表現の自由などのトピックについて、特にコロナ禍以降の現状に基づいた提言やグッドプラクティスの事例紹介がまとめられている。

 また、2021年〜2023年期の最初のテーマとして、デジタルの観客を新しく捉え直す試み「(Re)-Engaging Digital Audiences In The Cultural Sectors – Improving Audience Data」が発表されており、35団体の参加が決定。2021年12月にブレインストーミングが予定されている。今回は特に舞台芸術(演劇・ダンス・音楽)および文化財(美術館・ギャラリー・歴史的建築物や世界遺産・無形文化財や関連イベントを含む)に焦点を絞り、新型コロナウィルス感染症によるロックダウンにより急速に広まったヴァーチャル環境における新しい文化体験を踏まえて議論。デジタル環境における観客を理解し、どのようにこうした新しい観客と芸術家を繋いでいくか、また観客に関するデータをどのように集め管理・活用していくかについて、ガイドラインを作成することを目指している。

Brainstorming Report ‘Status & Working Conditions for Artists, Cultural and Creative Professionals’ https://voicesofculture.eu/2021/07/06/brainstorming-report-status-working-conditions-for-artists-cultural-and-creative-professionals/

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