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2019.1.28
Japan Topics
TPAM in Yokohama 2019(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019)」開催(2019年2月9日〜17日)
 
 舞台芸術に携わるプロフェッショナルのための国際的なプラットフォーム「TPAM in Yokohama(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)」。2019年は2月9日から17日まで、KAAT神奈川芸術劇場、Kosha33、横浜市開港記念会館などを主会場に開催される。3人の外部ディレクターを含むTPAMがキュレーションした舞台芸術の最新動向を反映する公演プログラム「TPAMディレクション」、国内外の舞台関係者がネットワークを広げるためのさまざまなミーティングが行われる交流プログラム「TPAMエクスチェンジ」、一般公募プログラム「TPAMフリンジ」の3プログラムで構成。
 10の作品・プロジェクトを紹介するTPAMディレクションで外部ディレクターを務めたのは、サウンドアーティストでもある恩田晃(日本/アメリカ)、ルール・トリエンナーレのヘッドドラマトゥルクのマックス=フィリップ・アッシェンブレンナー(ドイツ)、ファイブ・アーツ・センタープロデューサーのジューン・タン(マレーシア)。恩田キュレーションの話題作は、ホセ・マセダ(フィリピン)の代表作『カセット100』。ANTIBODIES Collectiveの東野祥子とカジワラトシオの振付・演出のもと、100人のボランティアが音楽プレイヤーを手に空間を回遊する。ジューン・タンは、2018年のマレーシア総選挙(GE14)で国会議員となったアーティストのファーミ・ファジールに山下残が密着取材した『GE14』、マックス=フィリップ・アッシェンブレンナーはかつて仏英日の三重スパイだったという人物をめぐる『神秘のライ・テク』を取り上げた。その他、お金だけでなく“理解”“機会”“交換”でも入札できる、ジンイ・ワン(中国/ノルウェー)による現代美術オークション『ポスト資本主義オークション』など多様な形式のパフォーマンスが行われる。
 「TPAMエクスチェンジ」では、舞台芸術をめぐる様々なシンポジウムやトークを開催。また、参加者提案型の「グループ・ミーティング」や国内外のプレゼンターとの1対1の予約制ミーティング「スピード・ネットワーキング」も行われる。  また、「TPAMフリンジ」として、ARICA、Co.山田うん、空間現代など多彩な団体による公演が東京・横浜で行われる。詳細は、公式サイトへ。
TPAM in Yokohama 2019(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2019)
https://www.tpam.or.jp/2019/

第24回劇作家協会新人戯曲賞は『鎖骨に天使が眠っている』に決定
 
 日本劇作家協会が主催する第24回劇作家協会新人戯曲賞。2018年度の応募総数は238本。うち30本が1次審査を通過し、2次審査で最終候補作6本を選出。J:COMホルトホール大分を主会場に5年ぶりに開催された「日本劇作家大会2019大分大会」において1月26日に公開審査が行われ、ピンク地底人3号による『鎖骨に天使が眠っている』が新人戯曲賞に決定した。
 ピンク地底人3号は京都を拠点に活動する演劇ユニット「ピンク地底人」のリーダーを務める作・演出家。2015年から「コトリ会議」の若旦那家康と組んだ「ももちの世界」でも活動を行い、今回の受賞作は、2018年に「ももちの世界」として上演したもの。行方不明だった親友が戻ってくる話で、「失われたもの」のメタファーを描いた作品。

ピンク地底人3号
同志社大学文学部文化学科美学芸術学卒業。在学中の2006年に1号、2号、3号の三人が組んだ演劇ユニット「ピンク地底人」として活動を開始し、リーダーの3号が作・演出を担当。かつて納棺師だった経験を生かし、いかにして「生きること」と「死ぬこと」を描くかを模索している。代表作に、2010年『その指で』(第11回AAF戯曲賞最終候補作)、2017年『黒いらくだ』(第23回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作)、2018年『わたしのヒーロー』(第6回せんだい短編戯曲賞大賞)などがある。(ももちの世界のwebsiteより)
最終候補作
『あくたもくた。』     守田慎之介(福岡県)
『へたくそな字たち』    大西弘記(神奈川県)
『鎖骨に天使が眠っている』 ピンク地底人3号(京都府)
『焔 ─ほむら』      中村ノブアキ(東京都)
『リタイアメン』      清水弥生(東京都)
『光の中で目をこらす』   小高知子(京都府)
最終選考委員
川村毅、坂手洋二、佃典彦、土田英生、永井愛、平田オリザ、マキノノゾミ
一般社団法人 日本劇作家協会
http://www.jpwa.org

第18回AAF戯曲賞の大賞は『朽ちた蔓延る』に決定
 
 AAF戯曲賞は、「戯曲とは何か?」をテーマに公益財団法人愛知県文化振興事業団が2000年に創設したもの。上演を前提に戯曲を公募し、一次審査、二次審査により最終候補5作品を選考し、公開審査で大賞を決定する。今年度は、109の応募作品の中から2019年1月6日の公開審査会により、大賞に山内晶『朽ちた蔓延る(くちたはびこる)』、特別賞に現役高校生の渡辺鈴(南山高校女子部演劇部)『by us』が選ばれた。  山内晶は青年団演出部所属で、同じく演出部に所属する蜂巣もも演出により2018年5月に東京で上演された『インクルージョン』の長編版。「架空の遺跡」を舞台に、 “建造物の諸行無常”“長い目で見た文化の隆盛”“残留思念”をテーマに執筆された作品。受賞作およびノミネート作品は、愛知県芸術劇場のウェブサイトで公開されている。
山内晶(やまのうち・あき)
日本大学芸術学部演劇学科卒業。「キリグス」主宰(旧団体名「AnK」)、「歌舞伎女子大学」メンバー、「青年団」演出部所属。キリグスと歌舞伎女子大学の両団体の全作品の脚本・演出担当。ロマンかロマンスかロマンチックがある舞台芸術を目指して、その時々に感銘を受けた文化(伝承、浄瑠璃、クラブミュージック、漫画etc..)を編み込んだ独特の世界を作り出す。2014年度佐藤佐吉賞最優秀演出賞(作品名『ヘナレイデー』)、第17回AAF戯曲賞特別賞(作品名:『白痴をわらうか』)受賞。
ノミネート作品
『朽ちた蔓延る』   山内晶
『すごい機械』    我妻直弥
『by us』      渡辺鈴
『ヤクタタズ!』   フルカワトシマサ
『ワッツィ 人民は敵』 佐々木治己
審査員
篠田千明(演出家、作家、イベンター)、鳴海康平(「第七劇場」代表、演出家)、羊屋白玉(演出家、劇作家、俳優、「指輪ホテル」芸術監督)、三浦基(「地点」代表、演出家)、やなぎみわ(アーティスト)
第18回AAF戯曲賞
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/archive/detail2018/18_aaf_bosyu/

「横浜ダンスコレクション2019」開催(2019年1月31日〜2月17日)
 
 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が若手振付家の発掘・育成およびコンテンポラリーダンスの普及を目指して、1996年にスタートした「横浜ダンスコレクション」。24回目を迎える2019年は、「METHOD/SPACE/PRESENCE」をテーマに、横浜赤レンガ倉庫1号館と横浜にぎわい座のげシャーレにて約3週間にわたり開催される。
 コンペティションでは、映像・書類審査を経て、ファイナリストを決定。公演実績のある振付家を対象とする「コンペティションI」では35ヶ国208組の応募の中から6カ国10組が選ばれ、横浜赤レンガ倉庫1号館にて作品を上演(2月9日・10日)。25歳以下の「コンペティションII 新人振付家部門」では38組の中から12組が本選に出場し、のげシャーレにて作品を上演(2月7日・8日)。最終日には、それぞれグランプリにあたる「審査員賞」と「最優秀新人賞」等の受賞者が決定する。
  オープニングでは、イスラエルの振付家エラ・ホチルドが美術家・大巻伸嗣とのコラボで『Futuristic Space』を世界初演。カンパニーデラシネラが新作『見立てる』を上演する。また、歴代受賞者も登場。フランスのクランプダンサーであるナッシュとのダブルビルで、2017年「若手振付家のための在日フランス大使館賞」を受賞した鈴木竜がソロ作品『AFTER RUST』を日本初演。同フェスと連携するスペインの国際フェスティバルMASDANZAで「ベストパフォーマー・アワード」を受賞したチェイ・フラドの『Agua』日本初演に合わせて、 2018年「最優秀新人賞」を受賞した永野百合子率いる妖精大図鑑が新作を発表する。
 そのほか、横浜赤レンガ倉庫1号館の屋外広場で、多彩なダンスパフォーマンスも展開される。
コンペティション ファイナリスト
◎コンペティションI
貝ヶ石奈美、宝栄美希、乗松 薫/鉄田えみ/チェ・ミョンヒョン、ジャフィット・マリ・カブリン(フィリピン)、ワン・タンチー/リ・スヤン(香港)、岡本 優、下村 唯、カン・スビン(韓国)、チェン・イーエン(台湾)、ヤナ・ヤツカ(ラトビア)
*審査員:岡見さえ(舞踊評論家)、近藤良平(コンドルズ主宰・振付家・ダンサー)、多田淳之介(東京デスロック主宰・富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)、矢内原美邦(ニブロール主宰・振付家・演出家・戯曲作家・近畿大学准教授)、サンソン・シルヴァン(在日フランス大使館文化担当官)、グザヴィエ・ぺルソン(アンスティチュ・フランセ横浜 館長)、エマール・クロニエ(フランス国立ダンスセンター 副ディレクター)
◎コンペティションII(新人振付家部門)
青柳万智子、荒俣夏美、甲斐ひろな、NishiJunnosuke、古薮直樹、三田真央、大森瑶子、神田初音ファレル、藤本茂寿、古澤美樹、本城祐哉、横山八枝子
*審査員:伊藤千枝(珍しいキノコ舞踊団主宰・振付家・演出家・ダンサー)、ヴィヴィアン佐藤(美術家)、柴幸男(ままごと主宰・劇作家・演出家)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)
横浜ダンスコレクション
http://yokohama-dance-collection.jp/

「ジャポニスム2018:響きあう魂」舞台公演ラインナップ発表
 
 「ジャポニスム2018:響きあう魂」が、2018年7月から2019年2月にかけて、フランスのパリ市内を中心に20を超える会場で開催される。日仏友好160周年を迎える2018年に、日本文化の多様かつ普遍的な魅力を、パリ、そして世界へ“発信する大型日本文化紹介企画。公式企画には、展覧会・舞台公演・映像・生活文化他の4つの分野から、50以上のプログラムがラインナップされている。
 舞台公演では約30演目の上演が予定されている。宮本亜門演出の能×3D映像『YUGEN 幽玄』、宮城聰演出『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』、故・蜷川幸雄の演出作品『海辺のカフカ』、野田秀樹演出『贋作 桜の森の満開の下』に加え、現代演劇シリーズにタニノクロウ松井周藤田貴大岩井秀人岡田利規、杉原邦生らが名を連ねている。ダンスでは、森山未來と伊藤郁女による新作デュオ、川口隆夫の『大野一雄について』などが上演される。詳細は、ウェブサイトを参照。
「ジャポニスム2018:響きあう魂」舞台公演リスト
邦楽ライブ 和太鼓×津軽三味線
(2018年7月5日、6日/ジャパン・エキスポ)
和太鼓 DRUM TAO DRUM HEART
(2018年7月13日〜15日/ラ・セーヌ・ミュージカル)
雅楽 宮内庁式部職楽部
(2018年9月3日/フィルハーモニー・ド・パリ)
松竹大歌舞伎
(2018年9月13日〜19日/国立シャイヨー劇場)
野村万作×萬斎×杉本博司『ディヴァイン・ダンス 三番叟』『月見座頭』
(2018年9月19日〜25日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
現代演劇シリーズ─タニノクロウ演出『ダークマスター』『地獄谷温泉 無明ノ宿』
(『ダークマスター』:2018年9月20日〜 24日、『地獄谷温泉 無明ノ宿』:9月25日〜29日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場[ディレクター:ダニエル・ジャンヌトー])
現代演劇シリーズ─松井周演出『自慢の息子』
(2018年10月5日〜8日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場)
現代演劇シリーズ─藤田貴大演出『書を捨てよ町へ出よう』
(2018年11月/パリ日本文化会館)
現代演劇シリーズ─岩井秀人構成・演出『ワレワレのモロモロ ジュヌビリエ編(仮)』
(2018年11月22日〜12月4日/国立演劇センター ジュヌビリエ劇場)
現代演劇シリーズ─岡田利規演出 『三月の5日間』リクリエーション、『欲望の輪郭(仮)』
(2018年秋/ポンピドゥ・センター)
現代演劇シリーズ─木ノ下裕一監修・補綴 杉原邦生演出・美術 木ノ下歌舞伎『勧進帳』
(2018年11月1日〜3日/ポンピドゥ・センター)
現代演劇シリーズ─リーディング 飴屋法水『ブルーシート』前川知大『散歩する侵略者』
(2018年9月19日、21日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
宮本亜門演出 能×3D映像『YUGEN 幽玄』
(2018年9月)
日仏ダンス共同制作 トリプルビル
(2018年9月18日〜11月14日/国立シャイヨー劇場/共同制作:リヨン・ダンスビエンナーレ(芸術監督:ドミニク・エルヴュ)ほか/振付:東京ゲゲゲイ ほか)
野田秀樹演出『贋作・桜の森の満開の下』
(2018年9月28日〜10月3日/国立シャイヨー劇場)
コンテンポラリーダンス─川口隆夫『大野一雄について』
(2018年10月2日〜5日/パリ市立劇場 エスパス・カルダン)
文楽
(2018年10月12日、13日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
伶楽舎 × 森山開次
(2018年10月13日/フィルハーモニー・ド・パリ)
和太鼓 林英哲と英哲風雲の会
(2018年10月14日/フィルハーモニー・ド・パリ)
日本舞踊
(2018年10月14日、15日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
 ※アーティスト・インタビュー 井上安寿子(京舞井上流舞踊家)
コンテンポラリーダンス─伊藤郁女×森山未來
(2018年12月18日〜20日/メゾン・デザール・ド・クレテイユ)
宮城聰演出『マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜』
(2018年11月19日〜25日/ラ・ヴィレット/音楽:棚川寛子
能楽
(2019年2月6日〜10日/シテ・ド・ラ・ミュージック)
蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』
(2019年2月15日〜23日/国立コリーヌ劇場)
2.5次元ミュージカル "Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live
(調整中)
2.5次元ミュージカル ミュージカル『刀剣乱舞』 〜阿津賀志山異聞2018 巴里〜
(2018年7月15日/パレ・デ・コングレ・ド・パリ)
初音ミクコンサート(仮)
(調整中/ラ・セーヌ・ミュージカル)
ダンス・レジデンス─島地保武
(2018年9月〜11月/国立シャイヨー劇場)
ジャズ 小曽根真featuring No Name Horses
(2018年12月5日、6日/パリ日本文化会館)
TOKYO HIT vol.3 クラブ・イベント
(2018年9月28日/パリ日本文化会館)
テクノコンサート
(2018年9月28日/ポンピドゥ・センター)

ジャポニスム2018
https://japonismes.org/
Presenter  Topics
南オーストラリア最大の国際芸術祭アデレード・フェスティバル開幕(2019年3月1日〜17日)
 
 1960年設立の大型総合芸術祭。演劇や音楽、ダンス、文学、美術、児童作品など、2週間半にわたり多岐にわたるアート作品が紹介される。当初はビエンナーレ形式を採用していたが、2012年以後、毎年開催。昨年度まで現芸術監督を務めたのはロンドンのオルタナティブ・ミュージック・フェスティバルMeltdownの創設者として知られるデヴィッド・セフトン。2017年度からは、シドニーのベルボア劇場で共同芸術監督を務めたニール・アームフィールド&レイチェル・ヒーリーが同職に就任した。
 2019年度の演劇部門に招聘される大型作品には、日本でも昨年上演されたウィリアム・ケントリッジ演出『魔笛』、世界中で賛否両論を呼んでいるミロ・ラウ演出構成によるリエージュの同性愛者殺害事件を「再現」する『La Reprise』、イラン人演出家ナザニン・シャミザデが、難民キャンプに抑留されて6年目のクルド人ジャーナリストとの直接対話をもとに執筆したヴァーバティム・シアター『Manus』などが挙げられる。
 ダンス部門では、昨年国際的にもっとも名誉ある舞踊賞のひとつであるブノワ賞を振付家として受賞したネザーランド・ダンス・シアター所属の振付家ヨハン・インガーによる『カルメン』が注目を集めているほか、ホフェシュ・シェクターによる近年の成功作『グランド・フィナーレ』が上演される。

[概要]
 1960年、南オーストラリア国立劇場運動に関わり、アデレードにアーツ・フェスティバル開催の潜在能力があると確信したジャーナリスト、ロイド・デュマがアデレード大学の音楽教授ジョン・ビショップとともに、各方面の有力者たちの協力を得て、半月間に105公演(大人向け74公演、子ども向け31公演)という規模でスタート。シドニー、メルボルンと並ぶオーストラリア有数のインターナショナル・フェスティバルとして、偶数年に開催されている。日本のカンパニーでは1994年に第三エロチカ(『マクベスという名の男』)、2000年に維新派(『水街』)などが招聘されている。
アデレード・フェスティバル(Adelaide Festival)
https://www.adelaidefestival.com.au/

バンクーバーでPuSH国際舞台芸術フェスティバル開幕(2019年1月17日〜2月3日)
 
 欧州の国際演劇フェスティバルをモデルとし、欧州、アジア、米国の現代舞台芸術作家たちを招聘し、バンクーバー拠点の作家たちとの対話を促し、地元の演劇シーンを活性化することを目的とする。特に音楽、映像、演劇などの分野を問わずジャンル越境的で、今までにない形式のパフォーミング・アーツの紹介に力点を置く。2019年度はフェスティバルの15周年を記念するシーズンとなる。
 まず今年はアントワープ拠点のアートコレクティブBERLINがジャーナリストのキャシー・ブリッソンとチェルノブイリの立入禁止区域で老夫婦と5年間共に暮らし、親密な絆を彼らと築きながら撮影しつづけたドキュメンタリー・インスタレーション『Zvizdal(Chernobyl - So Far So Close)』が話題を呼んでいる。またベルトラン・レスカとナジ・ヴートゥサスによるシリアの町名を題名に冠した二人芝居『Palmyra』では、ひとりの男は皿を持ち、もうひとりは持たない、という状況から喜劇的で暴力的でもあるアルチュール・アダモフのような不条理劇が浮かびあがる。
 日本からは梅田哲也、ASUNA、Marginal Consortという3組のミュージシャン/アーティストが登場。演奏と上演のあいまで実験的な挑戦をつづけるパフォーマンスを展開する。

[概要]
 モントリオール、トロントが優勢のカナダ舞台芸術界において、近年注目されているバンクーバーのフェスティバル。バンクーバー都市部の複数の会場で開催される。演劇、ダンス、音楽をカバーし、「最高のコンテンポラリー・パフォーマンス」を紹介することを目指して国内作品を厳選。その他外国からも小規模ながら野心的なコンテンポラリー・パフォーミング・アーツを紹介しており、2009年には2万3,000人以上の観客が集まるなど成功を収めている。日本からは2009年にチェルフィッチュが参加。その他プレゼンター向けのミーティングも行われるなど、内外を結ぶネットワーク機能の充実を図っている2019年度には、恩田晃のキュレーションにより、梅田哲也、Marginal Consort、ASUNAなどのサウンドアーティストが日本から参加。
PuSh国際舞台芸術祭(PuSh International Performing Arts Festival)
https://pushfestival.ca/

フランスとベルギーの国境四都市でInternational Arts Festival NEXT 開幕(2018年11月8日〜12月1日)
 
 フランス北東部とベルギーとの国境沿いに散らばる6つの劇場が主体となり、2008年に設立した現代舞台芸術フェスティバル。共催劇場は、リールの「セーヌ・ナショナル・リール・メトロポール・ヴィルヌーブ・ダスク」、ヴァランシエンヌの「エスパス・パゾリーニ」、同じくヴァランシエンヌの「ル・フェニクス・セーヌ・ナショナル・ヴァランシエンヌ」、コルトレイクの「Schouwburg」、同じくコルトレイクの「クンストセントラムBUDA」、そしてトゥルネーの「メゾン・ドゥ・ラ・クルチュール」。現在、共同芸術監督はGilles MichielsとMarie-Cécile Cloîtreの二人が務める。フラマン語、フランス語、ワロン語などの複数言語が隣接して共存する地域で、分断ではなく越境をテーマにしてフェスティバルが企画運営されている。
 11回目となる今回は、様々なボーダーで起こる衝突や紛争を乗り越える想像力を触発する45作品を招聘。次世代のスペイン演劇を牽引するエル・コンデ・トレフィエルは舞台上に何十人という欧州在住の若者たちを着席させ、彼らの「日常行為」を身体化しつつ、その裏にある思想を字幕に投影することによって、表面的な平穏さと裏に隠された抑圧思考の衝突を浮き彫りにする。イラン出身でトランスジェンダーの作家ソロル・ダラビはファルシ語の人称にジェンダーがないことを契機に、自身のジェンダーを越境する身体を異なる視点から捉えていく。ベルギーの演出家サラ・ヴァンヒーは8歳から11歳のあいだの7人の子どもたちに、彼らが答えを知るよしもない高度な質問を投げかけることで、子どもたちの想像力からオルタナティブな現実を案出してみせる。その他、本年度のフェスティバル/トーキョーでも上演されたナシーム・スレイマンプール×ブッシュシアターによる『NASSIM』なども招聘されている。

[概要]
 2008年に設立された現代舞台芸術フェスティバル。リール(フランス)、ヴァランシエンヌ(フランス)、コルトレイク(ベルギー)、トゥルネー(ベルギー)というフランスとベルギーの国境付近に散らばる4都市で開催される。主催者は4都市に小屋を持つ6つの劇場。NEXTは毎年欧州内外で活躍する現代演劇及びダンスのアーティストたち、約30組ほどを招聘し、レジデンスで新作を制作。その後、作家たちはその作品をもって、欧州内外の劇場20箇所ほどをツアーすることになる。現在までの参加作家にトーマス・オスターマイアー(ドイツ)、ギー・カシアス(ベルギー)、ヤン・ファーブル(ベルギー)、ロメオ・カステルッチ(イタリア)、アクラム・カーン(英国)、オスカラス・コルスノヴァス(リトアニア)、ブリッツ・シアター・グループ(ギリシャ)、フレデリック・グラーヴェル(カナダ)、ブロークントーカーズ(米国)、ピッポ・デルボーノ(イタリア)、ミロ・ラウ(スイス、ドイツ)、クリス・ヴァードンク(ベルギー)など。NEXTはあらゆる意味(国境、言語、ジャンル、対話)で「クロスボーダー」な実験を促進する。現在ではNEXTは、毎年1万5千人の観客を動員するイベントにまで成長。欧州舞台芸術業界で働くプロフェッショナルにとっても、参加が欠かせない年度イベントとなっている。
International Arts Festival NEXT
http://www.nextfestival.eu/en/events

世界最大規模の舞台芸術見本市CINARSモントリオールで開催(2018年11月12日〜17日)
 
 1984年に創設されて以来、2年に1度、カナダのモントリオールで開催されている世界屈指の舞台芸術見本市。40カ国から1,550人以上のプロデューサー、キュレーターなど舞台芸術のプロフェッショナルが参加。6日間の会期中にはケベック州をはじめ、北米を中心に国内外から集められた150組のアーティストによるトーク、ワークショップ、作品上演などが行われる。
 正式プログラムは、演劇、ダンス、音楽、複合分野的アート、サーカスの5部門に分かれており、その他のオフ・プログラム(正式招聘作品ではないが、フェスティバルのフリンジ作品として上演)も充実しているのが特徴。舞台芸術見本市のため、ほとんどの上演作品は30分前後の小作品となっている。
 本年度はCas Public、Virpi Pahkinenなど、将来を嘱望される地元の若手振付家による作品や、韓国人演出家Kim Hyun-Takによるフィジカル・シアターなどが上演される。また、米国エンターテイメント誌にて「世界でもっともクリエイティブな100人」に選出された鬼才リック・ミラーによるひとり芝居『BOOM』(ルヴィス・プレスリーからジョン・F・ケネディ、ジャニス・ジョップリンからウィンストン・チャーチルまで、戦後西洋世界を彩った有名人をひとりで演じる)が上演されるのも話題。また、同時期に音楽祭や児童演劇祭などのイベントも併催され、モントリオールは舞台芸術一色となる。

[概要]
 カナダ・ケベック州のモントリオールでカナダの舞台芸術を海外に普及することを主な目的に2年ごとに開催されている国際舞台芸術見本市。1984年に1回目の国際会議(International Conference for the Performing Arts)が開かれ、毎回世界数十カ国から1,000人以上のアーティスト、エージェント、プロデューサー、プレゼンターなど舞台芸術関係者が集う世界最大規模の見本市となっている。「プラットフォーム(Platform)」と「フォーラム(Forum)」で構成されており、「プラットフォーム」では、各国から参加するダンス、演劇、音楽、マルチディシプリナリー・アーツなど、約30のショーケースと約150団体のブース・プレゼンテーションが行なわれる。また、「フォーラム」では、資金調達やネットワーキングに関する勉強会やワークショップが開催され、プロフェッショナルな交流や情報交換が行われる。
CINARS
https://www.cinars.org/en/cinars
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